ガスプロム 2008 2 10

「ガスプロムが東電を買収する日」
著者 中津 孝司  ビジネス社

 多くの日本人は、外資というと、アメリカを連想するでしょうが、
それは、固定観念です。
この本に出てくるロシアの巨大企業「ガスプロム」も、外資です。
 ガスプロムが東京電力の株を買うのは、ごく自然な発想でしょう。
びっくりした人は、「井の中の蛙、大海を知らず」でしょう。
 産油国が得た石油代金で日本株を買うのは、ごく自然です。
株式市場では、「オイルマネーの買いが入った」というのは当たり前すぎて、
誰も気にする人はいません。
 ガスプロムが、日本に天然ガスを売って、
その代金で日本株を買うのは、当たり前でしょう。
 日本は、江戸時代に長らく鎖国をしていたので、
いまだに「鎖国癖」がついていて、外資というと、すぐ拒絶反応が起きますが、
もう、そういう鎖国癖は止めて、国際国家になりましょう。
 もはや国際化は避けられないし、今さら鎖国はできません。
「どう外資とつきあっていくべきか」、それを考えるべき時が来ています。
それには、まず相手を知ることです。
 ロシアというと、日本人は、すぐ北方領土を連想し、
そこで思考停止となってしまいます。
 一方で、一般的なロシア人は、日本をどう思っているか。
これは、意外にも友好的です。
白人で、有色人種である日本人に対して偏見が少ないのは、ロシア人ぐらいでしょう。
ロシア人は、優秀な日本製品というイメージで、日本人を見ています。
よく慎重居士と言われるトヨタ自動車がロシアに進出したのは、それなりの理由があります。
 この本には、世界的な巨大企業となったガスプロムの「光と影」、
あるいは、ガスプロムの「長所と弱点」が、わかりやすく書いてあります。
同時に、ロシアの「光と影」、「長所と弱点」がわかるでしょう。
 衝撃的なタイトルとは裏腹に、
この本は、冷静な議論と分析が中心になっています。

ソ連 USSR 2004 4 16
 ソ連にとって、アフガニスタン侵攻の失敗は、
結果的には、致命傷となりました。
 さて、ここで、歴史的な背景を点検しましょう。
ソ連は、石油危機による石油価格の高騰によって、
多額の外貨を獲得することになりました。
 しかし、これが、ソ連の「命取り」になるのです。
石油や天然ガスの輸出によって、
安易に、外貨を獲得できることに安住してしまったのです。
 当時、ソ連のライバルであった資本主義国は、どうだったのか。
資本主義国は、「技術革新」と「経済改革」に努力していたのです。
 一方のソ連は、石油などで外貨を獲得しつつ、
それに安住して、「経済改革」が遅れてしまい、
結果的には、経済の「軍事産業」への依存度は高いものとなってしまいました。
これが、ソ連崩壊につながるのです。
「安住」
向上心をなくして、その状態に満足してしまうこと。















































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